わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

古井由吉『夜明けの家』

講談社文芸文庫から出ている連作短篇集。 「祈りのように」。会社での、部内の者の不正の責任を取って退職したものの、その後精神を病み、当初は一進一退を繰り返していたものの、やがてじわじわと悪化し、そのまま病院で亡くなった男と、それを看病し看取っ…

休日の雨音は

七時三十分起床。今日も雨。たとえ微かでも、休日の雨音は眠気を誘う。水が布地に染みこむように、意識も体も布団に浸透したまま出てこられなくなる。 午後から強雨に。だが外出。吉祥寺で買い物。必要なものを一通り買い終え、伊勢丹で開かれている物産展を…

青山七恵「かけら」読了

希薄なようでいて、でも確かに存在している父。希薄に思えるのは、そのようなフィルターを自分自身がもってしまったから。たとえ肉親でも、相手の内面に踏み込むような人間関係を持つことを、知らず知らずのうちに拒否してしまうから。そういうことなのかな…

あっさりです

七時起床。雨。午前中は掃除。午後から仕事。夕方は雨が止んだので散歩して、義父母のところに顔出して、お茶をごちそうになってから帰宅。夜はスタンダードなビーフカレーをつくった。 入浴後、アイデアが湧いてきたのでまた仕事。だから今日の日記はあっさ…

青山七恵「かけら」

家族全員でさくらんぼ狩りのバスツアーに出かける予定だったというのに、母や兄の都合が悪くなり、関係が希薄になってしまった父とふたりで出かけることに。

重いものを軽く、というよりも

六時起床。雨。 午後より京橋へ。某不動産会社の会社案内、休眠状態だったが今日より再開。あともう少しで入稿できる。気を引き締めて打ち合わせに臨む。 終了後、末広町へ移動。PDA/スマートフォン専門店「モバイルプラザ」で、Palm Centro用のスタイラス…

青山七恵「かけら」

「新潮」6月号掲載の川端賞受賞作。おれ、この作家のことよく知らないんだよなあ。読んだことない。まださわりしか読んでない。いまのところ、ホームドラマ。お父ちゃんが不在の中心って感じ。新潮 2009年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009…

金井美恵子「『月』について、」読了

「新潮」6月号掲載の短篇。記憶を丁寧に辿る経過をそのまま文体にしたような作品。なんとなくだが、『噂の娘』とおなじ世界観なのかな、と思った。ただし、記憶の辿り方は本作のほうが散漫。その分、妙なリアリティがある。新潮 2009年 06月号 [雑誌]出版社/…

フンドケイ/ドンズバ

花子のゴキゲンは腸の糞密度に大きく左右される。おそらく糞度計は90%を越えているだろう。三日も溜めている。おかげでとばっちりだ。夜中に何度も起こされ、その都度糞度計がリセットされるのではないか、つまりウンコしてくれるのではないか、と期待する…

古川日出男「キ/吉増剛造/セ/撮る撮られ/キ」

「新潮」6月号掲載。『聖家族』を思い出させる前衛的な文体と執拗すぎる観察眼で、吉増さんの映像作品のDVDを紹介している、というか、それをベースに物語なき小説を、無理やり捻り出そうとしているような。その無理やりっぷりが魅力。そして、捻り出すとい…

ようやくらっきょを

三時、四時、五時とどういうわけか一時間おきにが覚めたが、何を勘違いしたのか、今日は休日だからね、と七時過ぎまで眠るつもりでいたところ、いや違うぞ今日は平日だ、と気づいたのが六時五分。寝坊せずに済んだ。勘違いした理由がわからん。 午前中は某薬…

古井由吉「掌中の針」読了

家が見つかって引っ越したら抱いて、と言われた女の物件探し、というよりは街探しに付き合うハメになった萱根。なりゆきで、死病に冒され入院した女を看取ることになる。混濁した意識の中で、女は長年返さなければと考えていたらしい針を、知り合いに返す。 …

 「本 元祖の祝祭  『電気馬』--津島佑子」安藤礼二

「新潮」六月号の書評欄。津島さんの新作の紹介なのだけれど、書き出しの部分を読んで、最近自分は広告などを手掛ける者として、言葉を大切に扱えているのだろうか、突き詰めて使っているのだろうか、と反省してしまった次第。戒めの意味を込めて、引用。 作…

ああっ、もう、まったく!

夜中に花子が大騒ぎしたのだが、その理由がわからない。突然枕元でふにゃー、とやや高めの、ニンゲンの言葉に置き換えれば「ああっ、まったく、もう!」といったトーンの鳴き声が聞こえ、どうした、と声をかけると、洗面所に向かって一目散に走る。ついてい…

古井由吉「掌中の針」

「新潮」六月号掲載。萱根という還暦の男のもとに、旧友が死病の床についたという連絡が入ったところから物語ははじまる。旧友は、大事なものを渡したいのだという。しかし、手渡されたものに形はなく、ただ、針のようなものを握らされている、という感覚だ…

らっきょの皮剥き

六時起床。眠い。 アポイントはないので、日中は書斎にこもってひたすら仕事。某薬品会社カタログ、某通信会社企画など。夜までたっぷりかかりそうだと思っていた案件が、意外にも夕方には終わってしまった。義母が田舎かららっきょが届いたというので、カミ…

多和田葉子『ボルドーの義兄』読了

ラストは、辞書の盗難事件から愛猫タマオの死の記憶が突如想起され、身近な人たちの死の記憶へとそれが広がり、沈鬱なのにどこか不条理な思考とともに記憶がとっちらかっていく中、プールのロッカーの暗証番号をどうしても思い出せない、という、これまた妙…

動物画の奇才 薮内正幸の世界展

図鑑や絵本向けの写実的な動物作品を描きつづけた画家の回顧展。緻密かつ正確、そして生真面目なタッチは、自然界の神秘を正確に写し取ることの難しさと美しさを同時に感じさせる。動物の生態や、ときには目を覆いたくなる残酷な本能なども摂理とわきまえ、…

キョインキョインと大声で

七時起床。陽が差さない。もしや、と思い窓を開けてみると、平坦な灰色の空が目に入るのと同時に、サーッという、大昔のカセットテープを再生したときに小さく聞こえるヒスノイズのような音が聞こえた。目を凝らす。雨だ。だがさほど強くはない。雨音よりも…

荻窪「はし本」

天ぷら専門店。席数は少なめ。平日のほうがお客の多いタイプの店らしく、ガラガラだった。4,800円のコースを注文。無口だが食材などについて質問すると笑顔で答えてくれる店主が、手際よく揚げてくれた。軽めの油を使っているのか、くどさがまったくない。い…

多和田葉子『ボルドーの義兄』

なぜかプールに出かける優奈。そこで優奈は、大切にしているのかどうかはよくわからぬが、常に携帯しているらしいレネからもらった仏独辞典を盗まれてしまう。 優奈がレネの義兄モーリスの家に行って休暇を過ごす、というストーリーを柱に、いろんなエピソー…

布団を干すときはスリリング

七時三十分起床。朝のうちは晴れていた。ベランダに布団を干す。わが家はマンションの二階だが、一階にはベランダがない代わりにベランダより広い庭が付いているのだが、真下に住むお宅で飼っているミニチュアダックスが、いっつも庭でウンコをする。今朝も…

多和田葉子『ボルドーの義兄』

パスポートを忘れて取りに帰ってきたマヌケなモーリスに、あなたはリネを愛しているのか、と優奈は率直に訊く。ちょっとおもしろかったので引用。 モーリスがレネを愛したからどうだというのだ。優奈はもっとはっきりと、たとえば「あなたはレネの義兄なのか…

活発な一日

六時起床。七時半から仕事。(ありがたいことに)新規の案件をいただけたりデザイナーと予定外の電話打ち合わせをしたり休止中だった案件が息を吹き返したり、とやたら動きが活発な一日。仕事自体は二十一時すぎに終了にしたのだが、その後もメールはつづき…

多和田葉子『ボルドーの義兄』

不条理な小ネタがつづくのだが、それらはみな、視点を変えればきっと不条理ではないのだろうなあ、と思いながら読んでいる。多和田さんの小説は、自分を中心に世界が回っていると思い込んでいるようなタイプの登場人物が多い。ボルドーの義兄作者: 多和田葉…

今日の事件簿

巨大目ん玉一つ目猫人間の夢を見た事件 ドクダミの花が咲いたよ事件 暑いよ蒸すよ夏だよ事件 大好きな雑草が消えてしまうよ事件 無駄話ばっかりだよな事件 ユニクロよりは無印良品事件

多和田葉子『ボルドーの義兄』

ようやくモーリスはベトナムに旅立つ。優奈は留守宅で生活をはじめることになるが、まだまだその描写ははじまりそうにない。とっちらかった記憶のほじくり返しがつづいてゆく。理由はわからんが、遺伝子情報を連想してしまった。 優奈が家を預かった直後の部…

抑圧された欲求

最近、頻繁にスキーの夢を見る。なぜだ。たしかに学生時代はやれ文学だ哲学だと小難しいことばかり考えていた反動か、スキーには時間も金も相当つぎ込んでいた。だが結婚してからはまったくスキーをしていない。今ではゲレンデに行きたいという欲求すらない…

多和田葉子『ボルドーの義兄』

レナの義兄であるモーリスの家にようやく着いた優奈は彼と食事を共にしている……のだが、会話の合間に過去の記憶が挟み込まれ、さらにそこから別のエピソードが派生し、それにつれて登場人物が雪だるま式に増えはじめ、おまけに彼らはみなどこかしか妙なとこ…

問題は、店名

今日も比較的目覚めはよかったが、昨日のような悪夢は見ていない。六時起床。 早朝から仕事。十三時三十分、虎ノ門の某社にて取材。生まれてはじめて、テレビ会議システムでインタビューした。相手はよく見えるし表情もわかるのだが、カメラの位置の問題で、…