わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

田中慎弥「燃える家」(10)

「群像」8月号掲載。大きく歪むようになった主人公・徹の生き方。そして彼の横からそれをコントロールする相沢。グロテスクな描写が徐々に増えていく。群像 2011年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/07/07メディア: 雑誌 クリック: 2回この…

ずしん

五時四十五分起床。朝から室温、湿度ともに上昇。部屋が蒸し風呂になっている。台風の影響。 午前中は書斎にこもってなんやかんやと作業を進める。午後より外出。荻窪駅までの十分間、ちょうど雨の強い時間にあたってしまった。大量の雨を受ける傘がずしんと…

古井由吉「子供の行方」

「群像」8月号掲載。一気に読んでしまった。 連作短編の最終話は私小説的な内容。三月の地震の被害と重ね合わせるように辿られる、太平洋戦争末期の東京での空襲からの避難、焼け跡での生活、疎開の記憶。戦争体験は古井さんの作品の柱の一つだが、この短編…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』読了

長い遠回りの末にようやくたどり着いた馬加康胤の首塚の由来。闇雲に歴史にぶつかっていたのではなく、ここにたどり着くための必然としてすべてが紹介されていたのだ、と十分に納得できる流れ。この経緯において馬加康胤は一度たりとも登場していないという…

寝て暮らす

五時四十分、目が覚めるも暑さを感じているうちに二度寝。といっても意識が落ちていたわけではない。まどろんでいたわけでもない。ただただ、ぼーっとしていた。じっとりとねばりつくような汗に全身の毛穴をふさがれるような気がして六時起床。 起き上がろう…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

5章目「分身」。今度は太平記。ちらりと登場する兼好法師。その描写から、ほとんど情報が残っていない兼好の人となりを推察しようとしているのだが、そこに至るまでがクソ長くてクソ長くて、その冗長さがおもしろくてたまらん。そして太平記における殺しの描…

立川抜志 被災地復興支援落語会

木戸銭は、今回は資料代として1,000円。この収益で、黒板用のチョークをつくるメーカーであり知的障害者の積極的雇用でも有名な日本理化学工業の新製品「キットパスきっず」という、ツルツルなところに書くと水で落ち、紙に書く場合は水彩色鉛筆のように使え…

峯岸みなみ、あるいは二度と返されぬパンツ

二時半、四時、と二度も花子に起こされ、五時三十分に自然に目が覚めたのだが、自分にはもう少し寝る権利がある、いやそれは義務だ、たとえ暑くて寝苦しかろうと、義務ならばそれを守らなければならない、という内なる声を聞いたような気がし、もう一度寝る…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

4章目「『平家』の首」。平家物語における「首」についての考察。戦で切られる首。その、切られる瞬間の「血」のなさ、そして切られてからの「血」のなさ。ある種の美学なのだろうか。血を感じさせない、という様式。首塚の上のアドバルーン (講談社文芸文庫…

夏の味

五時四十五分、猫に怒られるように鳴かれ、起床。何も悪いことはしていないはずだ。釈然としない。だが、それが猫というもの。身支度、動物たちの世話。 七時過ぎ、ランニングへ。すでに炎天。善福寺川沿いを、日陰になる河岸を選びながら走りつづけた。すれ…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

4章目「『平家』の首」。平家物語についてが語られる前に、延々と語り手自身の胃潰瘍手術の体験が語られる。胃の上部を切除してひっぱり上げて食道につなげる大手術で、首のまわりについた手術痕が、ちょうど生首のように……と書いておきながら、自分の首とこ…

米1.5合/猫にどらやき

五時五十分起床。薄暗い朝は、今日は曇りか、陽射しが和らぐか、気温もさほど上昇しないか、と一瞬思うものの、窓を開けた途端にそれは朝だというのに西日のようにジリジリとあらゆるものを熱する太陽の強く鋭い光に紛れて儚くも消え去る。 カミサンはなんや…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

3章目「『瀧口入道』異聞」。京都、平家物語、高山樗牛。うーん。首塚の上のアドバルーン (講談社文芸文庫)作者: 後藤明生出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/10メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (20件) を見る後藤明生の作品はこちら。

月齢13.22のクラゲ

五時四十五分起床。夏の朝独特の気だるい重たさがまったく感じられない。決して爽やかな目覚めではないのだが、体を布団の下の床のさらにその下の何かに強力な磁力で引っ張り込まれるような、それでいてゆるゆると体を動かすことはできる、中途半端な感覚が…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

「変化する風景」。クレーの話題は一瞬で、今度は延々と新田義貞の首塚の話だ。ここから、馬加康胤の首塚の話に戻る……のだろうか。首塚の上のアドバルーン (講談社文芸文庫)作者: 後藤明生出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/10メディア: 文庫 クリック: 5…

iMac(core i3 3.2GHz)の発熱問題

Mac

いやあ、あっちいのなんの。長時間Macを使いつづけていると、次第に体より顔が熱くなってくるのだ。本体天井や背面を触ると、オイルヒーターみたいに加熱している。これはいかん、とインコのぷちぷち用に買った乾電池&USB駆動の扇風機の風を当てつづけてみ…

侵食

久々にアポイントのない日。溜まっている作業に集中できるからこんな日はありがたい。五時四十五分、目覚めた瞬間から、まずは何をするべきかをアタマの片隅で考えはじめている。それが少しずつ脳を侵食し、やがてそればかり考えるようになる。だが、暑い朝…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

「変化する風景」。語り手の、おそらくは彼のマンション十四階にある住居からともに首塚を眺めたことのある知人に向けての手紙、という設定。その後、語り手は一度も首塚を訪れていない。しかし、十四階からの首塚とその周辺の眺めは、毎日少しずつ、あるい…

五時五十分、目覚ましが鳴った。仰向けに寝ていた体を右横向きに変えて布団の右側に置かれた目覚まし時計のアラームを解除する。次に体をそこから180度回転させて左横向きになり、その姿勢のまま、うーん、と伸びをしようとした瞬間、パニックになった。最初…

今日の事件簿

暑いけどエアコンはなるべくつけない事件 猫が暑そう事件 右半分が眠い事件 だからそれは足しすぎなんだってば事件 日本語としておかしい、美学もない事件 鶏肉ミョウガシソうまし事件

ATOK for Mac 2011

MacのOSが「漢字トーク7」と呼ばれていたころから日本語変換はEGBRIDGE派だったのだが、開発元のエルゴソフトがなくなってからはATOKを使うようになり、今に至っている。コピーを書くのが仕事だからバージョンアップは毎年必ず行うようにしよう、と昨年決め…

薬の効用

五時四十五分起床。熱は完全に引いたようだ。咳も治まっている。梅雨明けの朝は呆れるくらい脳天気な夏空。ランニングしたくなったが、さすがにまずいだろう。症状が出ていないのは薬が押さえつけているだけなのかもしれない。というわけで、普通に身支度。…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

「黄色い箱」。おそらく後藤と同一人物らしい語り手の男は、ぼやくように移転してきた千葉の地方都市の商店街について語りつづける。ほんのりと自虐的で視点がまるでさだまらず、それでいて微細な部分にまで観察力が行き渡り、さらにはそこから些細なレベル…

1.5倍

気管支炎。昨日は込み上げるような咳が止まらず、夕方に病院に行ったらそう診断された。喘息の発作が気になったが、自覚症状はないし、医師が診てもその兆しはないという。ひとまず安心。薬をもらって帰宅。しかしその後、急に全身の倦怠感と妙な頭痛、関節…

今日の事件簿

気管支炎で発熱事件 でも休めない事件

週刊モーニング

「ReMember」、また新たな謎が…! 「グラゼニ」、物語としてはシンプルなのだが、ゼニが絡むので変な奥深さが感じられてよい。かえって人生の悲哀や喜びが際立ってくる。ReMember(1) (モーニング KC)作者: 王欣太出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/03/23…

本社

五時五十五分、目覚ましが鳴る一瞬前に猛烈な暑さを感じて起床するが、窓を開けると風は涼やかで、起きながら想像した強烈な朝日はどこにもない。熱がこもっているようだ。だが、どこに? 部屋の中に、なのか。それとも身体の中に、なのか。 十時、都内某所…

後藤明生『首塚の上のアドバルーン』

昭和を代表する純文学作家(とぼくは思っている)の傑作連作短篇集。実は一度読みはじめていたのだが、途中でストップしていた。止めてしまった理由は思い出せない。ただ、猛烈に好きな世界だったことだけはしっかり覚えている。特に巻頭を飾る「ピラミッド…

本当は熟考したいのだ

昨夜はもう寝ようと思っていた二十三時四十五分に赤字が届き、急遽作業することに。その直後に就寝したのだが、脳がフル回転していたのだろうか、しばらく興奮していたようで、まったく眠れず。二時くらいまでは記憶がある。寝汗。 五時四十五分、目覚ましが…

高橋源一郎「日本文学盛衰史 戦後文学篇(19)」

震災と言葉について。 震災直後はぼくの住む東京も(東北ほどではないにせよ)被災地の一部のように感じられていたが、あっという間にその雰囲気は消えてしまった。それ以降、報道、ネットなどを通じて被災地から届く言葉に対してどう向き合えばいいのかがさ…