わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「雪の仏の物語」読了。現実と幻想、あの世とこの世、大人と子ども、信仰と無信仰、肉と骨、などなど。様々な対立要素が、「即身仏」という存在を中心に蠢いている。そんな作品。地域社会全体の救済をテーマにしたかったのだろうか。しかし、作品が最後に着…

西荻窪⇔阿佐谷12,000歩

九時起床。昨日よりも親しみやすい空。気温はかなり高いようで、少し動けばすぐに汗ばむ。午前中はトイレ掃除などに精を出す。それから生協、スーパーで買い物。 午後から散歩。自宅のある荻窪寄りの西荻窪から阿佐谷まで歩くことに。途中、荻窪の「あんさん…

究極の牛肉は美味すぎて

みどりの日。しかし空に緑が映えるような陽射しはない。窓は朝の外光を採り込んでくれているが、その輝きはぼんやりとしていて、ゴールデンウィーク幕開けとしてはいささかしみったれている。文句を言っても仕方ない。九時起床。 午前中はカミサンとふたりで…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「野施行」読了。八十年代に書かれた作品らしいのだが、突然作品世界が軽くなる。文体やテーマが、ではない。時代背景が、だ。だからこの作者に固有な、時代を敏感に感じ取り、それを反映させるかたちで家族が蠢き出すような感覚は、この作品にはない。それ…

凡庸な四月の平日と唐突の脱退劇

紗季ちゃんの夢は見なかった。六時五十分起床。 午前中は某団体パンフのアイデア出し、午後からは打ち合わせを立て続けに二本。移動すると汗をかく。空は霞んでいるが、ときおり強い陽射しが顔を見せ、春の曖昧な光に慣れてしまった軟弱な瞳に飛び込んでくる…

相武紗季ちゃん豪華三本立て

また相武紗季ちゃんが夢に出てきた。しかも、三本連続である。 ひとつめ。家の中にいる。古めかしい平屋にぼくらは住んでいる。美輪明宏と江原啓之が、うちのカミサンといっしょにひとつの布団で川の字になって寝ている。ぼくは紗季ちゃんと、三人の布団から…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「末黒野」読了。昭和三十年代くらいだろうか、父母も妻も子どもも愛せない、そしてモラルをモラルと感じることができない男。開墾地の農家に生まれたが農作業を嫌い、子どものころから盗みを重ね、ただひたすらになまけつづけ、父母に見放され、妻にも見放…

白しゃもじ赤しゃもじ

六時四十分起床。八時から、黙々と某住宅メーカーのWeb サイトのコピーを書きつづける。 十六時、カイロプラクティック。ツツジの鮮やかな赤、ピンクが目に付きはじめた。ハナミズキもあちこちで開いている。白のハナミズキはしゃもじが四枚放射状に並べてあ…

赤瀬川原平『赤瀬川原平の名画読本』

古書店「猫の手書店」で購入。これも同じ理由で。赤瀬川原平の名画読本―鑑賞のポイントはどこか (知恵の森文庫)作者: 赤瀬川原平出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/04メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (15件) を見る

赤瀬川原平・山下裕二『日本美術応援団』

古書店「猫の手書店」で購入。馬鹿馬鹿しくも新鮮な視点で日本の名作を鑑賞している。冒とくなのか、礼賛なのか。おかしかったので買っちゃった。日本美術応援団作者: 赤瀬川原平,山下裕二出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2000/02/18メディア: 単行本購入:…

高階秀爾監修『カラー版 西洋美術史』

古書店「猫の手書店」で購入。絵を楽しむのにあまり理屈はいらないのだが、まあ多少の教養があってもいいのかな、という理由で。カラー版 西洋美術史作者: 高階秀爾出版社/メーカー: 美術出版社発売日: 2002/12/10メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 102…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「立切れ」読了。決して大御所とは言えない老齢の、ひとりぐらしをする噺家が、近所の学生に頼まれて開いていた落語会の最後の高座を務める。それだけの話なのだが、物語のあちこちに家庭を持てない、持ちたくない男の身勝手さと悲しさが浮かび上がってくる。

黄色→黒→白

七時起床。昨夜は花子の夜鳴き(夜騒ぎとでも言ったほうがふさわしい)のために寝た気がしないが、だからといって寝不足だという感じもない。夜鳴きと夜鳴きの間の静寂をうまく見つけて、短時間でも深く眠れているということか。 鼻水はほぼ止まった。普段よ…

高橋葉介『夢幻紳士 逢魔編』

パラレルワールドのエンドレス構成。世界にははじまりも終わりもない。ただ、今があるだけなのだ。だから夢幻魔実也は、おなじ挨拶を繰り返しつづける。脱帽。スゲエ。 高橋葉介についてちょっと考えてみた。 高橋葉介は、絵のチカラを(画家以上に)信じて…

風雅な失態

六時五十分起床。生ぬるい朝。梅雨時を想像させる湿度の高さ。 夕べから鼻水が止まらない。マスクをして仕事をする。某IT企業新聞広告、某住宅メーカーWeb サイトなど。 十五時、銀座の代理店O社で打ち合わせ。自宅から荻窪駅へ向かうときに通った八重桜の花…

加藤典洋『テクストから遠く離れて』

読了。すこしずつ読んでいたけれど、ずいぶんかかったなあ。 文学作品を、作者の存在を不在のものとして、つまり作品としてというよりも「テクスト」として読む。テクストは誰が書こうと、作者の手を離れれば文学作品でしかない。テクスト論とは、ものすごく…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「魚の骨」読了。働きたくないから、という理由で突然会社を辞め、六年間も自宅に引きこもった父。そして、アルバイトをつづけながら大学に通い、自宅では庭に自分が住む小屋を建てて家族と別居している主人公・英次。父が「父」であることを放棄しているな…

猫のバードウォッチング

八時起床。天気予報は雨と報じている。今すぐ降り出しても納得できるくらい厚く重たい雲が切れ目なくつづく。が、まだ降らない。いつまで持つかな、と思いながら身支度する。天気が気になるのか、春になり活発になったスズメやヒヨドリやシジュウカラ、セキ…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「はつむかし」読了。とんでもない作品。終戦直後のこと、元士官だった夫を持つ主人公は、茶の湯にのめりこみ茶道具のために家を抵当に入れてしまった道楽亭主に生活の不安を感じながらも生活をともにしつづける。しかし夫はある日家から消えてしまう。生活…

荻窪・洋食亭ブラームス

ルミネ5階。正統派洋食である。しっかりした作りの、まじめな洋食。おすすめはカレーピラフにマンゴーなどをつかっているらしい濃厚なカレースパイスで炒めトロミがつけられた挽肉と卵の黄身を乗せ、周囲にフライドオニオンを散らした「スペシャルドライカレ…

もじゃもじゃペーターとドイツの子どもの本

http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2006-01.html 国際子ども図書館にて。「もじゃもじゃペーター」は、ホフマンという精神科医が描いた子ども向けの絵本。言うことを聞かないで髪の毛はぼうぼう、ツメはの美放題のキタナイ子どもが表紙だ。「悪い…

プラド美術館展 スペインの誇り 巨匠たちの殿堂

東京都美術館 http://www.tobikan.jp/ にて。ティツィアーノからゴヤまで、プラドから厳選された81点が並ぶ。17〜18世紀の作品が中心か。宗教画が大半を占めていたが、どれもが政治的理由からか美化されすぎていて、第三者の作意ばかりを感じてしまう。ルー…

上野動物園の外側で動物を見る

九時起床。晴れの週末は気分が軽くなる。 昼前に、カミサンと外出。荻窪「洋食亭ブラームス」で昼食をとってから上野公園へ。不忍池を散歩する。イチョウの木に若葉がしげりはじめ、八重桜が散りはじめているところを、スズメやシジュウカラがごきげんそうに…

富岡多恵子『動物の葬禮|はつむかし』

「動物の葬禮」読了。動物とは、指圧師をしている主人公ヨネの娘サヨ子の男、通称「キリン」のことである。ある日、キリンは胃癌で死に、サヨ子はその亡骸をヨネがひとり暮らししている実家へ運び込み、葬式を済ませる。 「窓の向こうで動物が走る」が家族に…

煮詰まったら、花

六時五十分起床。ここ数日、(二度目の)起床は花子に起こされることが多かったが、今日はぼくが先に起きた。服を着替え、洗面所で顔をバシャバシャやっていると、眠そうな顔をした花子がのそりのそりと重たそうな足取りでやってくる。ドアのカドや洗い物カ…

相武紗季ちゃんを出発点に、自由と愛について考えてみる

夜中、花子にゴハンをせがまれ目を覚ます。基本的に午前四時を過ぎないとゴハンはあげないことにしている。どんどんゴハンタイムが繰り上がってしまうからだ。いや、すでにかなり繰り上がってしまっているのだが。で、花子である。ドスドスドスと布団に横に…