わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2022-01-01から1年間の記事一覧

片岡義男「あのバーに入ってみた」

「群像」2022年11月号掲載。片岡義男は日本文学界の宝だと本気で思う。 五十代の二人の友人同士の男と、四十代のバーのママの、店を介したささやかな交流。最近の片岡さんの作品は、若い世代にさりげなく自分の小説作法、小説技法を教えようとしている、そん…

どちらに分類されるのか

五時四十分起床。ここ数日、アラームに先を越されることが多くなった。夏の間は確実にアラーム前に起きていた。朝日の差し込む時間が関係するのか、それとも別の要因か。それは外的要因なのか、それとも自分自身の問題なのか。自分自身だとすれば、それは身…

急に貴重に

五時四十分起床。三連休で唯一の完全オフ日。朝のうちは雨だったがいつの間にかやみ、どんよりとした空が夕方頃まで拡がっていた。大丈夫かな、と思いつつ十五時頃に散歩に出たが、かすかではあるものの雲の切れ間から青空が覗き、この調子ならもう大丈夫か…

石沢麻依「マグノリアの手」

「群像」2022年11月号掲載。仕事で脳味噌が疲れた気がしたので、少ししか読まなかった。小学生低学年くらいの女の子の心理を、「白」という色をフックにして重層的に描いている。 群像 2022年 11 月号 [雑誌] 講談社 Amazon 貝に続く場所にて 作者:石沢麻依 …

夏の強烈さが邪魔をして

今朝も五時四十分起床。あまりの肌寒さに驚いてしまった。十月上旬の朝はこんなふうだったろうか、と記憶をたどるが、今年の夏の強烈さが邪魔をしているのか、まったく思い出せない。 幸い雨はやんでいたが、午後からまた降り出すというので、慌ててウォーキ…

近いような遠いような、妙なバランス

五時四十分起床。肌寒い感覚とともに目覚めることが少しずつ多くなっている。秋を満喫したいという欲求と近づく冬を肌でとらえる感覚とが、近いような遠いような、妙なバランスを保っているように感じる。 午前中は掃除。午後から仕事。某案件のために、ひた…

石沢麻依「マグノリアの手」

今日届いた「群像」2022年11月号掲載の短篇。ひとまず冒頭だけ。意味がわからなくて、おまけにぎょっとする描写からはじまる。石沢麻依の作品には、感情をギュッと圧縮されすぎて無表情になる、そんな感覚がある。 タイトルの「マグノリア」という言葉を見る…

とっちらかったまま、とち狂ったように

五時四十分起床。寒い。驚くような寒さ。身支度と朝食を終えてさて仕事、というころには雨が降りはじめ、やがて篠突くような激しさとなり、寒さも強まるように感じた。十月初旬にここまで寒くなるのは半世紀ぶりのことらしい。梅雨といい夏といい秋といい、…

ココロのほうがいまだに残暑

五時四十分起床。寒くて驚いた。だがそれは窓を開けた時の話で、締め切っておくと、いまだに夏の暑さと湿気とが、部屋のなかにしぶとく残っているような気がする。カラダが火照ったり汗をかいたりはしないというのに、なんか暑いな、とボヤキに似た独り言が…

古井由吉『楽天の日々』

晩年期の一連の小説作品とは違って、「死」という回避できない状況からは少しだけ距離を置き、歳を取るということのほうに正面から向き合っている、そんなエッセイが目立つ。そして良品ばかり、という印象。 荷風の日記に記された最晩年の生活についてを語っ…

豚肉、舞茸、サツマイモ

五時四十分起床。急に冷える、気温は上がらない、と天気予報はさんざん脅しをかけてきたが、一日過ごしてみると、ベランダに出れば秋雨が冷たく感じるものの、家のなかは常に夏の暑さがしぶとく居残っている感じで、ちぐはぐな、そしてダマされているような…

豚肉、舞茸、サツマイモ

五時四十分起床。急に冷える、気温は上がらない、と天気予報はさんざん脅しをかけてきたが、一日過ごしてみると、ベランダに出れば秋雨が冷たく感じるものの、家のなかは常に夏の暑さがしぶとく居残っている感じで、ちぐはぐな、そしてダマされているような…

古井由吉『楽天の日々』

最近は、読書のメインは毎月の「群像」なので、単行本を読む機会が減っている。でも今月は読みたいものを全部読んでしまったので、久々にこのエッセイのつづき、読み残していた後半の半分くらいかな、を読み進めている。 古井さんのエッセイの、自分自身を描…

今朝の眠気はどうやら単なる

五時四十分起床。涼しい朝だというのに熱帯夜を冷房なしで過ごした時のような感覚があるのは、熟睡できていなかったからか。目が覚めては枕の位置を直したり意識して寝返りをうってみたり、を繰り返していた記憶がある。もっとも、この感覚は布団から抜け出…

今日の事件簿

まだまだ暑いね事件 結局帰宅事件 五目焼きそばとチャーハン事件 うーむ…事件 ジャーナリングは役に立つ事件 企業理念は役に立つ事件 もっと楽しめ!事件

「自由でいいじゃん」の一言で

五時四十分起床。久々の土日完全休日と思いきや、仕事のメールはちょいちょい届き、その都度、軽くではあるが対応している。好きなことなのだから苦ではないが、働き方改革という言葉が一種の暗示のようになって、そんなことしていていいの、という疑問をつ…

工藤庸子「文学ノート・大江健三郎 Ⅰ 敗戦と小説について 大岡昇平×大江健三郎(2)」

「群像」2022年10月号掲載。大岡の『俘虜記』を中心に。『俘虜記』は大学生の頃に読んだが、とっ散らかった印象でよくわからなかった。テーマが明確でストーリーもわかりやすい『野火』のほうが夢中になれたのだが、今読むと、包括的かつ多面的、そしてリア…

名エッセイストはみな

五時四十分起床。久々に土日を連続で休める。とはいえ、だからといって旅行に出かけたりするほどの気分ではなく、ひとまずカラダと脳味噌を休めておきたい、エネルギーを蓄えておきたいという気持ちのほうが強くなるのは、まだまだ緊張感がつづいているから…

まだ走らないほうがいいと

五時四十分起床。昨夜は頭痛対策でいつも以上に念入りにストレッチしておいたので、今朝は目覚めがよい。だが、やることはいつもまったく変わらない。身支度、掃除、動物の世話、朝食、ゴミ出し。 仕事。ささっとメールチェックなど済ませ、朝イチで銀行へ。…

かなり変わってくるようだ

五時四十分起床。ひんやりとした朝。あちこちからキンモクセイの香りが漂ってくる。もうそんな時期か、そういえばセミの鳴き声はここ数日で完全に消えたな、と季節のうつろいをぼんやり感じながら、身支度やら、動物の世話やら、ゴミ出しやら。 仕事。朝から…

今日の事件簿

もたれて事件 栗ごはんおいしいね事件 瞬間爆睡事件 夫婦で歯医者事件 カスが溜まった事件 メールの受信時間でクレーム(ってほどでもないけど)事件

堀江敏幸「二月のつぎに七月が(44)」

「群像」2022年10月号掲載。常連客の漫才の掛け合いのような会話と大食いタレントのような食いっぷり。作者は、書いていてとても楽しいのだろうなあ。 父の形見の文庫本からわからない部分や気になる部分を書写するのを日課にしているもうひとりの常連客、阿…

楽しめるようになれるのが

五時四十分起床。ここ数日の、シルバーウィーク全体にかかる繁忙状態もようやく峠を越しつつある。今日の作業である程度先が見えてきた。それはありがたいのだが、少々疲労がたまっている感覚がある。肉体の疲労ではなく、脳味噌のほうなのだろう。時折軽い…

今日の事件簿

右膝がー事件 企画は好評でしたよ事件 慌ててお茶碗二杯事件 そこそこいちゃいちゃしてますねー事件 基本からどんどん離れてる事件 パン三昧事件 まだまだてんこ盛り事件 誰がなんと言おうとタイ料理はウマイ事件 タイ料理大全: 家庭料理・地方料理・宮廷料…

今日の事件簿

手首が少し楽になった事件 いろんな犬用ゴハン事件 おいしそうなこんにゃく事件 想定の四倍事件 なぜぼやけるんだ事件 日曜美術館、じっくり見られなかった事件 これで解決か?事件 結局夜まで仕事事件

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶は歳月は彫るか(50)」

「群像」2022年10月号掲載、今月分を読了。上から下への指示系統、ピラミッド型のヒエラルキーが、あらゆる政治的不和の元凶? あらゆるというのは極論すぎるかもしれないが、そう思えなくないのがちょっとコワイ。 群像 2022年 10 月号 [雑誌] 講談社 Amazo…

その感覚が、なんだかおもしろい

五時四十分起床。少し肌寒い朝。身支度と朝食、そして動物たちの世話を済ませてから、ベランダに吊していたサンシェードを取り外した。十年くらいおなじものを使っていたので劣化が激しい。今年でお役御免にすることになった。来年は買わなきゃ。 秋分の日だ…

まさに秋ではないか、と急に

五時四十分起床。涼しい朝。夏の気配は感じられない。だが秋が来たという感覚は朝のうちは希薄で、というよりもほとんど意識しなかったが、銀行へ行くために外に出ると、空に浮かぶ雲の細かくちぎれながら拡がる様子は、まさに秋ではないか、と急に季節を実…

今日の事件簿

手首が手首事件 気を使っていただけた事件 ミネアポリスの話事件 電動キックボードシェアだ!事件 なにやらガチャガチャしてきたよ事件 よっしゃ一発事件 ニンニク豆板醤くさくさ事件 あ、大学の同級生のNさんが本屋にいるぞ事件(ほぼ話したことないんだけ…

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶は歳月は彫るか(50)」

「群像」2022年10月号掲載。相変わらずの、反骨と少数派のオンパレード。それが迷走していくのだから、ホントにすさまじい小説だ。迷走は、脱物語化のための装置なんだろうなあ……といったことを書くと、きっと保坂さん本人に怒られるし、「違う」といわれる…