わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

読書日記

ドウス昌代『イサム・ノグチ』

時間を見つけてはチョイチョイと読み進めている。1920年代に奨学金を得たイサムはパリへ留学するのだが、彼のアトリエのすぐそばに藤田嗣治もアトリエを構えていて、親交があったらしい。藤田は非常に好きなのだが、この接点にはちょっと驚いた。 イサム・ノ…

少しだけの進化

六時起床。涼やかな朝だが気温は徐々に上がっていく。 午前中は仕事。一日かかるかと思っていたが、午前中でまとまってしまった。午後は本でも読んでのんびりしようかと思っていたが、オーブントースターが壊れてしまったため、急遽買いに行くことに。 吉祥…

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

「彫られた文字」。所々に小島信夫っぽい文章が。 地鳴き、小鳥みたいな 作者: 保坂和志 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/10/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 保坂和志の作品はこちら。

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

「キース・リチャーズはすごい」を読みはじめる。うん、「群像」だったか「新潮」だったかに初出した時に読んだ時と印象はおなじだな。エピソードの断絶的継続、なんて矛盾したことを考えた。 地鳴き、小鳥みたいな 作者: 保坂和志 出版社/メーカー: 講談社 …

三浦雅士「言語の政治学」(最終回)

「群像」2017年8月号掲載。バレエと言語の関係。というより、自己認識の関係と言ったほうがいいのかも。言語と視点が自己認識の基本となるからね。バレエは全然詳しくないけれどモダンバレエには興味があって(ピナ・バウシュくらいしか知らないけど)、ピナ…

三浦雅士「言語の政治学」(最終回)

「群像」2017年8月号掲載。最終回はいつもより長いのか、それともぼくがダラダラ読んでいるからなのか、なかなか読み終わらない。バレエ(肉体)、映画(視覚・聴覚)と、さまざまな切り口から言語の政治性と孤独さを掘り下げているのだが、最後に無理やり詰…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(5)

「群像」2017年9月号掲載。 「算盤とは、補数に始まり補数に終わる」。名言的だが、ピンと来ないのは「○○から始まり○○に終わる」という表現が紋切り型だからだろうか。 食堂の料理人が高校生のためにつくってあげた、そしてその後、賄いとしてつくったおにぎ…

強い陽射しとテープ台

例によって麦次郎をチェックするために夜中にちょこちょこ起きつつ、六時起床。身支度、猫のトイレの始末、インコのゲロの始末、朝食。曇天。時折、雲の谷間から八月らしい強烈な陽射し。 午前中は仕事、そして掃除。セロテープ台でうっかり手のひらを切って…

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

表題作、読了。なぜかラスト前に組み込まれている男をダメにしてしまう女のエピソードは、内容だけでなく、その軽妙でテンポのよい文体がおもしろかった。そしてラスト、おかしな迂回エピソードが、突然、いや偶然なのか、「母の実家」というこの短篇の中核…

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

表題作を、まだタラタラと読みつづけている。山梨の母の実家近辺探訪と思い出の蔵出し状態は、まだ延々とつづく。そして、時々登場する明らかな、そして意図的な文法ミス。主語や目的語が、ちょいちょいすり変わる。 地鳴き、小鳥みたいな 作者: 保坂和志 出…

週刊モーニング

「GIANT KILLING」うまく話を切り替えた。 「グラゼニ」凡田、周囲に翻弄されつづける。そしてピンチ。 「CITY」最後の鎖にしびれた! 今、一番好きなマンガ。 GIANT KILLING(44) (モーニングコミックス) 作者: ツジトモ,綱本将也 出版社/メ…

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

表題作。読売新聞に連載していた『朝露通信』の後日談的な内容。地の文での「あなた」という問いかけが印象的だったが、「あなた」は読者でも架空の話し相手・聞き手でもなく、実は一緒に山梨の母の実家を見に行ったことのある浮気相手の女性編集者だった、…

見えない朝日

四時三十分、猫の世話で起床。二度寝し、五時三十分起床。曇天。膨らみがはっきりわかる大きな雲が重なりあいながら広がっている。その重なりからたまたま漏れたすき間から、黄金色の朝日が覗いている。麦次郎、朝から外に出せとうるさいので出したのだが、…

たぶん揚げ方

朝が慌ただしい。いや、明け方が慌ただしい、と書いたほうが正確か。麦次郎が歩き出した気配とともに起きて、ゴハンをあげたり、廊下へのそそうをチェックしたり。枕元で叫ばれて目を覚ますこともある。ほとんどの場合、おしっこ出ました、の報告だ。 五時三…

三浦雅士「言語の政治学」(最終回)

「群像」2017年8月号掲載の最終回。まだ最初の数ページしか読んでいないのだが、最後の最後で、視覚的であり図形的であるという点で言語表現と相似するバレエによる身体表現について論考している。ちなみに著者は、バレエ専門誌の編集者をしていた経歴を持つ…

保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』

最新短篇集、ということになるのかな。 「夏、訃報、純愛」。世話になった知人の学者の死が引きがねとなって、保坂和志自身らしき語り手の、回想と思考の暴走がはじまる。無宗教の友人の葬儀と、猫の葬儀。両者がよく似ているというのは、よくわかるなあ。そ…

粗相の数

今朝も四時に一度起きて、麦次郎の粗相を始末。だが今日は総じて、粗相する回数が昨日よりは少なかった。五時三十分、きちんと起床。 コジコジは換羽がどんどん激しくなっている。それと比例するように、おしゃべりをよくするようになった。 今日は終日書斎…

古井由吉「たなごころ」

「群像」2017年8月号掲載の新連作。 ここ数年のテーマにしているように思える「老い」と「死」が、小説というよりは思索のつらなりという趣で展開されている。 群像 2017年 08 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/07 メディア: 雑誌 この…

橋本治「九十九歳になった私」(11)

「群像」2017年8月号掲載。飛ぶ意識、生きづらい社会状況、生きづらい身体。うーん、おもしろくもさみしい。 群像 2017年 08 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 知性の顚覆 日本人がバカに…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇8 商品の救済/人間の救済

「群像」2017年7月号掲載。 商品が交換によって貨幣となり、貨幣が交換によって別の商品となる、という資本主義の基本的な価値交換のシステムと、宗教との関連性。 無限の富の追求が根底にある資本主義がキリスト教のような一神教のもとで発達したことの複雑…

三浦雅士「言語の政治学」(12)

「群像」2017年7月号掲載。 人間だけが対面で性行為ができること、対面で子どもに乳を与えることができること、といった「対面」が、自分ではなく相手の視点を脳内に図式化して構築できる(イメージできる)能力を生み出し、これが視覚としての言語の発達・…

今日の事件簿

麦次郎今朝もおしっこ失敗事件 麦次郎なにかと命令やワガママが激しい事件 コジコジゲロゲロ継続事件 黒柳徹子事件 全部新宿の小田急百貨店で済ませた事件 焦ってますか?事件 予定が微妙に変わった事件 読書は週刊モーニング。「グラゼニ」どう活躍するのだ…

首が痛いので短め

五時二十五分起床。痛みで何度も目が覚めてしまい、熟睡できず。 通勤ラッシュの電車に乗り、九時半から都内某所にて打ち合わせ。少しずつ首が動くようになってきたが、まだまったく動かせない角度がある。下はほぼ向けない。 昼前に帰社/帰宅し、午後から…

情報がなければ

五時三十分起床。曇天の夏日。時折青空がのぞくがおおむね曇り空。九州の大雨、非常に心が痛むが、東京にいるとニュースの映像を見ない限り、実感がわかない。日本はそれなりに広いのだ、と痛感。情報がなければ、喜びも悲しみも共有できない。 麦次郎、絶好…

古井由吉『ゆらぐ玉の緒』

病気からの恢復が、なれ鮨の話などと複雑に絡み合いながら淡々と語られていく。徐々に、微かに、増していく生命力。無限の力というのではない。ただ、老作家ならではの、俗な悟り、というのはおかしな表現だが、そんな感覚から生まれる、決して弱くはない、…

古井由吉『ゆらぐ玉の緒』

最終話「その日暮らし」。作者がモデルになっている老作家の、ここ数年の入院歴が淡々と語られる。妙に冷静で客観的な視点から語られる老いの様子が、静かなエネルギーとでも言おうか、ギリギリのところで確かな力を得ているような、そんな感覚が読み取れた…

佐々木敦「新・私小説論」(最終回)

「群像」2017年7 月号掲載。思った通り、最終回で取り上げられたのは保坂和志。『未明の闘争』の文法的に破綻した書き出し、そして名作『カンバセイション・ピース』の哲学的・認識論的・主体論的論考。『カンバセイション・ピース』は読み返そうかな。 群像…

磯崎憲一郎「鳥獣戯画」(17)

「群像」2017年7月号掲載。 暗黒大陸じゃがたら。そして浪人生の夏、秋。じゃがたらはあんましなじみないんだよなあ。ゼルダは大好きだけど。 群像 2017年 07 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/06/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ…

橋本治「九十九歳になった私」(10)

「群像」2017年7月号掲載。 仮死状態になっていたカナブンに憧れを抱く語り手のじいさん(≒橋本治本人)と五十歳のゆとり世代のズレまくった会話、そしてさりげなく描かれるディストピア東京。こわ。 群像 2017年 07 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発…

佐伯一麦「山海記」(11)

「群像」2017年7月号掲載。大昔の洪水、比較的最近の洪水、親友の自殺、自分と親友の好きな音楽、そんな内容が、微かにオーバーラップしつつ、だが基本的には平行線という感じで進んでいく。 群像 2017年 07 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 20…