わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

読書日記

今日も「今日の事件簿」。翌朝に書いたよ。

うまい棒すげえ事件 時間が空いたら散歩だよ事件 夜はバッタバタ事件 磯崎憲一郎「鳥獣戯画」今月の連載はなぜか高校生恋愛小説と化しているがやっぱりヘンだし暴走してるよ事件 群像 2017年 04 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/03/07 メ…

佐伯一麦「山海記」(9)

「群像」2017年4月号掲載。 親友の自殺のショックで大量の下血を緊急入院となった「彼」は、症状が落ち着き退院となったものの、ひどい便秘に苦しめられるようになる…。便秘の描写が、凝った書き方はしていないのだが、症状そのものがひどいので、読みながら…

橋本治「九十八歳になった私」(7) 九十九歳になっちゃうじゃないかの巻

「群像」2017年4月号掲載。 来週で九十九歳になる、というタイミングで布団の上げ下ろし中に転んだからといって、介護士の六十代のおばちゃんに無理やり病院に連れて行かれ、結局加齢が原因で大きな問題はない、という診断に釈然としない「私」。「私」はほ…

週刊モーニング

「グラゼニ」が激動。なんだこりゃ。 「会長 島耕作」ゲノム操作こわいよー。 「終電ちゃん」ちょっと泣ける。 グラゼニ?東京ドーム編?(10) (モーニングコミックス) 作者: 森高夕次,アダチケイジ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/03/23 メディア: …

多和田葉子「地球にちりばめられて」(5)

「群像」2017年4月号掲載。 今回の語り手は、グリーンランド出身のエスキモーの学生。後に彼は彼らとおなじ生肉文化をもつ日本に関心を抱き、第二のアイデンティティとして生きるようになる…。 群像 2017年 04 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: …

三浦雅士「言語の政治学」(9) 視覚の零度

「群像」2017年4月号掲載。 仏教の本覚思想と文学の関連性、そしてブレイク、ヘルダーリン、ヘッセといった自然と同一するような描写の多く見られる詩人たちの作品と傾向から、著者は言語の身体性、視覚性、そして見るという行為に潜む対象との自己同一化の…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代編5 資本主義の猥褻な精神

「群像」2017年3月号掲載。 ベンジャミン・フランクリンの『プロテスタンティズムと資本主義の精神』やラカンの精神分析(さらにマルクス主義、というよりマルクスの思想)をベースに、資本主義の本質がどこにあるか、そしてなぜ商人が発達したイスラーム圏…

なぜかアジみたいな

立ち食いで魚介系のラーメンを食べた。お冷をもらった。だがそのお冷はいつのまにか生クリーム入りのジュースにすり変わっていた。…という夢を見た。五時四十五分起床。 熱はすっかり下がった。鼻水も止まっている。のどの痛みだけが微かにしつこく、こびり…

三浦雅士「言語の政治学(8)」 土着と外来

井筒俊彦の仏教論にヘーゲルの「精神現象学」、アウフヘーベンをぶっつけて思いきり批判。おもしろいんだけど、ヘーゲルって理解しきれないんだよねえ。 精神現象学 (上) (平凡社ライブラリー (200)) 作者: G.W.F.ヘーゲル,樫山欽四郎 出版社/メーカー: 平凡…

三浦雅士「言語の政治学(8)」 土着と外来

「群像」2017年3月号掲載。 日本文学、そして日本語の底流に仏教があるのでは、という考えから、仏教学者たちの思想に踏み込みはじめているのだが、リルケの思想が芭蕉や本居宣長に通じている、と主張する井筒俊彦という仏教学者の『意識と本質』という作品…

磯崎憲一郎「鳥獣戯画」(13)

「群像」2017年3月号掲載。 明恵上人の話はひとまず終わり、現代に戻ったと思ったら女優と京都にいるという状況もこれ以上描かれることはなく、なぜか携帯電話をもたない理由について、そして長女の出産時の思い出(ここに携帯電話のことが多少からんでくる…

橋本治「九十八歳になった私(6)」

「群像」2017年3月号掲載。副題が「プテラノドン退治の巻」。ジュラシックパーク的に現代に甦ってしまったプテラノドンが、語り手の老作家の住む仮設住宅のそばに巣を作ってしまったために自衛隊が退治するのだが、アクションが語られるわけでなく、大半は科…

多和田葉子「地球にちりばめられて(4)」

他の言語とは明らかに違う日本語ならではの特徴に、登場する国を失った日本人たちの個性や話す言葉の特徴が重なり合っていく。ドイツ在住で、ドイツ語でも小説を書く多和田葉子だからこそ描けることなのかもしれない。すばらしい。 群像 2017年 03 月号 [雑…

多和田葉子「地球にちりばめられて(4)」

「群像」2017年3月号掲載。 二人目の、地球にちりばめられてしまった日本人の登場? 軽妙かつ浮世離れした、というかふわふわ浮遊しているような独特の文体が、故郷というアイデンティティを失った人を描く小説の文体としてとてもふさわしい、と感じている。…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近代編4 貨幣の抽象化作用」

「群像」2017年2月号掲載。貨幣の本質は「負債」の流通化にある、ということなのかな。その後、貝殻だの麦だのといった疑似的な貨幣から硬貨という現代のものと同等の貨幣が登場するまでの経緯や歴史的背景を著者は考察していくのだが、古代ギリシャでの貨幣…

佐々木敦「新・私小説論(12) 一人称の発見まで(承前)」

「群像」2017年2月号掲載。 一人称とは何か。文学作品における語り手の一人称、日本語の一人称といった問題から、「作者と作品を切り離して読む」というロラン・バルトのテクスト論をすり抜けるように否定しつつ、佐々木は「作者0」という概念を提唱する。読…

今日の事件簿

花子は高いところにいる事件(夢) アール・ヌーヴォー/アール・デコ事件 麦次郎いい感じ事件 パン祭事件 ちょっと多いかも事件 dカードはやっぱり解約しない事件 意外と素直事件(鳥) 衝動的にマグロのカマ事件 片岡義男『万年筆インク紙』読了事件(楽し…

磯崎憲一郎「鳥獣戯画(12)」

「群像」2017年2月号掲載。 明恵上人の入滅。今日の芸能ニュースにあった清水富美加ちゃんの出家のニュースと重なってしまって、宗教ってなんだろう、という疑問がふつふつと。 群像 2017年 02 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/01/07 メデ…

橋本治「九十八歳になった私(5) 女はこわいよの巻」

「群像」2017年2月号掲載。施設に入る老作家は団子を食べたくなって施設を抜け出し、転ぶ。その姿を見ていた百十五歳のお金持ちのババアが、次の日死んだ。いやあ、めっちゃくちゃおもしろい。そして時折、ずどーんと底に落とされたような気分になる。軽妙な…

多和田葉子「地球にちりばめられて」(3)

「群像」2017年2月号掲載。消滅してしまった極東の国出身の女性Hirukoは、同郷の者を探してドイツで開催されるという「出汁フェスティバル」に向かう……。 繊細で不安定な透明感に満ちた文体。今回の語り手は女性として生きることを決意したインド人の大学生…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近代篇3 貨幣論への迂回」

歴史の中で貨幣の価値が普遍的なものとして形成される過程について。脱中心化。他者への期待の連鎖。うん。そういうことだよね。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る <世界…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近代篇3 貨幣論への迂回」

「群像」2017年1月号掲載。 断片化していたコミュニティは長い時間をかけてつながりをもち大型化していく、というのが歴史の大きな流れ。その中で生まれた「帝国」という存在は、運営(政治って言っていいのかな。あるいは「統合」なのかも)のエンジンとし…

氷のように冷たく

五時四十五分起床。朝一番で、ボロボロになったブリジストンの一万五千円のママチャリと、耐用時間を二倍くらい超えて使っていたアルインコのエアロバイクの二つを粗大ゴミに出した。寒い。風も強い。エアロバイクのボディが氷のように冷たくなり、抱えて運…

佐々木敦「新・私小説論(11)「一人称」の発見まで(承前)」

「群像」2017年1月号掲載。主語の省略の問題と小説の人称の問題。誰が語るのか、という主観/視点の固定化(あるいは流動化)は、映画のカメラワークに似ていなくもない。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 メディア:…

三浦雅士「言語の政治学(6) 光のスイッチ」

折口信夫の視覚/呪の考えから、一気にメルロ・ポンティへ。でも、全然論理的に飛躍していない。不思議なつながりだ、と思ったが、折口の仕事の永遠普遍性を考えたら、アタリまえの事なのかも。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日:…

三浦雅士「言語の政治学(6) 光のスイッチ」

「群像」2017年1月号掲載。 白川静の、折口信夫から受けた影響について。「産」という漢字が額に記した入れ墨という白川の節はおもしろい。生まれた者が額に入れ墨を入れると「彦」(=おとな)になり、その入れ墨を入れた額のことを「顔」という。そして額…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学(87) 近代篇2 カトリックの政治革命/プロテスタントの精神革命」

カント/ヘーゲルのドイツ観念論とフランス革命の関係。うん。 群像 2016年 12 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/11/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 大澤真幸の作品はこちら。

大澤真幸「〈世界史〉の哲学(87) 近代篇2 カトリックの政治革命/プロテスタントの精神革命」

「群像」2016年12月号掲載。フランス革命はなぜカトリックが主流のフランスで起きたのか。現代で言えばプロテスタントはリベラル、カトリックが保守って感じなのに。……ってところを紐解いていく。鍵となるのは、フランスがイギリスなどのように宗教革命を経…

佐々木敦「新・私小説論(10) 「一人称」の発見まで(承前)」

「群像」2016年12月号掲載。まだ12月号を読み切れてないんだよね。 日本語は主語を省略できるという特性があるが、ゆえに日本文学には「人称」という概念はないのではないか、という仮説のもと、係助詞「は」と格助詞「が」の違いなどを、金谷武洋、三上章と…

長嶋有「もう生まれたくない」読了

「群像」2017年1月号掲載。 冒頭で空母の妄想をしていた、夫を不慮の事故で失った女性の意識が消えていく、そんな描写で作品は幕を閉じる。この女性が他の登場人物や著名人=他人たちのように亡くなってしまったかどうかはわからない。もやもやする。そして…

長嶋有「もう生まれたくない」

小さな盗癖、おんなったらし、イマドキの大学生活、妄想癖…。作品世界全体を覆う「誰かの死」とは関係ないエピソードが鎖のようにつながる。そこに突然、大切な人の不慮の死が挟まる。死は悲しみであると同時に、負荷であり、労務であり、事務処理であること…

長嶋有「もう生まれたくない」

接点のない有名人、微妙に接点のある知人。さまざまな死が、登場人物たちの人生をかすめていく。死は、知らぬ間に日常のなかへ組み込まれていく……。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 メディア: 雑誌 この商品を含む…

へんなおっさん

五時三十分起床。大掃除はほぼ終了、と思っていても次から次へと気になる部分が出てきてしまう。だがきりがないし、そんな場所は大抵手の届かないような場所で、労力のわりには見た目の変化にとぼしく、さらに苦労して作業してもハウスダストのせいで喘息発…

長嶋有「もう生まれたくない」

X JAPANの初代ベーシストの死、そしてスティーブ・ジョブズの死。さらにはMacの「サッドマック」すなわちコンピューターの死(のメタファー)。断続する死。それらに断片的に接する登場人物たち。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売…

長嶋有「もう生まれたくない」

直線的につながっていた登場人物たちが、急に複雑な人間関係を織りなしはじめた。その、折り目の間に、あるいは中心に、自分たちとはほとんど関係ない人物の「死」が存在している。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 …

長嶋有「もう生まれたくない」

「群像」2017年1月号掲載。長嶋有の小説を読むのは何年ぶりだろう。一時期「群像」で連作短篇をやっていたけれど、それ以来かな。ブルボン小林名義のコミック評論やエッセイは時折読むのだが。「たまむすび」にも年1回くらいのペースで出演しているし。 舞台…

磯崎憲一郎「鳥獣戯画」(11)

「群像」2017年1月号掲載。 承久の乱と明恵。私小説的なスタートだったはずなのに、気づけば歴史小説になっている。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 磯崎憲一郎の作品は…

佐伯一麦「山海記」(7)

「群像」2017年1月号掲載。 水害の地をめぐる旅の記録が、どんどん歴史の重みをおびるようになる。このまま歴史小説に変質するのか、と思いきや、友人の死という出来事によって語り手/主人公は歴史空間から強引に現実に引きもどされる。いや、時系列を追う…

今日の事件簿

鼻きれぎれ事件 久々のソーダブレッド事件 俺シャツ買った事件 俺シャツ買った後に妻リュック買った事件 妻リュック買った後にシュトーレン買った事件 シュトーレン買った後に注連飾り買った事件 注連飾り買った後にクッキーもらった事件(ありがとう) クッ…

瀬戸内寂聴「いのち」(9)

「群像」2017年1月号掲載。 大庭みな子の突然の脳梗塞。大手術ののちに見舞いに行くと、寂聴と連れの女性編集者は、包帯ぐるぐる巻きのオバケ状態になっていた大庭から、「河野多惠子は悪人」と言われ、慌ててその場去って寂聴大爆笑。ちょっと悲しい爆笑だ…

多和田葉子「地球にちりばめられて」(2)

先週、今週とやたら慌ただしいので、ちょっとずつしか読めていない……。 (全部読んでるわけじゃないけど)今までの多和田作品以上に、「言葉」へのこだわりが強い。 群像 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/12/07 メディア: 雑誌 …

戸田山和久『哲学入門』

ひとまず本編読了。今は参考書籍のページ(も本編と変わらない感じ)を読んでいる。 唯物論の範囲をはみ出した、でも科学的なアプローチでこの世界の仕組みについて迫った意欲作だと思う。哲学は人生訓の集合体なんかじゃない。でも、世界を知ること、人間と…

多和田葉子『地球にちりばめられて』

「群像」2017年1月号掲載。表紙がコケッコー。あ、オレ来年、年男だ。 若き言語学研究者を語り手にした先月号から一転、今月号は国を失った女性Hirukoの視点から物語が展開する。浮遊感と迷子感の強い文体は今回も冴えまくっている。 群像 2017年 01 月号 […

吉行淳之介「焔の中」

戦時中だというのに化粧をして悦に入って婦人会の偉そうなオバハンに目を付けられてしまった女中。その女中を放任する美容師の母、追い出そうとする息子。どうしても、朝ドラ的な視点で読んじゃうなw。田中美里ちゃんがアタマから離れなくなる。 群像 2016年…

吉行淳之介「焔の中」

「群像」2016年11月号掲載。初出は1955年。吉行淳之介を読むのは、たぶん初めてだ。大御所だから学生の頃に読んでいるかもしれないが、全然覚えていない。 眠ってしまったのであまり読めていないのだが……戦時中の日常の描写から作品ははじまる。美容室を開い…

デブまっしぐら、ではない

五時四十五分起床。眠い。だがすぐに目は覚めた。 麦次郎はウンコがきちんと出ているのに、出ません出ませんと主張し、トイレ以外の場所でもきばろうとする。そしてそこで出してしまった。間一髪、床に落ちる前にペットシーツでキャッチできたが。コジコジは…

長く長く伸びながら

五時四十分起床。ちょっと冬かな、という感じの朝。微かにセピア色を帯びた朝日が長く長く伸びながら路面を照らす。麦次郎、ウンコ出たのに糞詰まりな感じ。コジコジは今日も求愛行動の吐き戻し。 朝から外出。小石川で案件Aの打ち合わせ。昼食を挟んで案件B…

瀬戸内寂聴「いのち」(8)

「群像」2016年12月号掲載。 河野多惠子との友情。屈折した部分と素直な部分の同居。 群像 2016年 12 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/11/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 河野多惠子の作品はこちら。

佐々木敦「新・私小説論」(9)

「群像」2016年11月号掲載。副題は「「一人称」の発見まで」。 近代に到るまで、日本の文学には人称が明確に存在しておらず、この概念が確立したのは言文一致体の二葉亭、美妙の仕事による。そして谷崎の人称に対する意識と理解の高さについて。 日本語は非…

舞城王太郎「トロフィーワイフ」

「群像」2016年12月号掲載。 姉にコンプレックスを抱く妹が、姉の奇妙な理由による離婚の危機に首を突っ込むことになる…。 軽妙で読みやすいのに書いてあることはまどろっこしい舞城節は本作も健在。 群像 2016年 12 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発…